ねじりばねのトルクとその仕組みを理解しよう
ねじりばねは、トルク(回転力)を利用するばねの一種で、回転軸の周りで力を生み出します。
トルクは自動車のスペックなどでも見かける言葉で、「ねじりの強さ」や「ねじりモーメント」とも呼ばれています。
ここでは、トルクの基本的な考え方と、ねじりばねにおけるトルクと荷重の関係を、簡単な例を使って解説します。
トルクとは何か?わかりやすく説明
まず、「トルク」とは何でしょうか?トルクは、ある点を中心にした回転軸の周りに働く力のことです。単位はニュートンメートル(N・m)で表され、たとえばレンチでボルトを締めるときに感じる「ねじる力」がトルクに当たります。この力が強ければ強いほど、硬いボルトでも回すことができるわけです。
トルクは、力の強さと、その力がかかる距離で決まります。たとえば、10Nの力で20mmの距離から力をかけると、トルクは200N・mm(ニュートンミリメートル)になります。ねじりばねにおいても、同じような原理でトルクが発生しています。
ねじりばねのトルクとばね定数の関係
次に、ねじりばねのトルクについて見ていきましょう。ねじりばねのばね定数は「1度あたりのトルク」として表され、たとえば2N・mm/度というように単位が付いています。これは、ねじりばねを1度たわませる(ねじる)と、2ニュートンの力が発生することを意味します。
ここでは、ばね定数が「2N・mm/度」のねじりばねを例に取って説明します。
このばねを30度ねじると、発生するトルクは「2N × 30度 = 60N」になります。このようにして、ねじりばねのトルクは、ばね定数とねじる角度を掛け合わせることで計算できます。
ねじりばねのトルクと荷重の計算例
ねじりばねにおいて、トルクと荷重はどのように関係しているのでしょうか?以下に、実際の計算例を示します。
ばねを30度ねじったときのトルク:60N
荷重がかかる位置:10mmの場合
荷重=トルク ÷ 距離=60N ÷ 10mm=6N
荷重がかかる位置:20mmの場合
荷重=トルク ÷ 距離=60N ÷ 20mm=3N
このように、荷重のかかる位置が変わると、その分トルクの作用が変わり、実際の荷重も異なります。
まとめ:ねじりばねのトルクと荷重の理解を深める
ねじりばねのトルクと荷重の関係は、圧縮ばねや引張ばねとは少し異なり、直感的に理解するのが難しいかもしれません。
実際の計算にはばねに適した治具や精密な測定器が必要な場合もあり、特にアームの長さが異なると計算結果も若干変わることがあります。