ばねの種類と用途は多種多様!意外な形や使い方のばねを紹介
ばねと聞くと、よく見かける圧縮コイルばねなどが思い浮かぶかもしれませんが、実はばねにはさまざまな形状や材質があり、用途によって工夫されています。
ここでは、少し変わった形や特殊な用途のばねをご紹介します。
1. 一風変わった形のばねたち
一般的なばねには「圧縮コイルばね」「引張コイルばね」「ねじりコイルばね」などがありますが、形が特殊なばねもたくさんあります。これらは、その形状によって独自の性能を持ち、特定の場面で活躍しています。
ダブルコイルのねじりばね
このねじりばねは、通常のコイルの上に逆方向に巻かれたコイルが追加されており、端部を同一面上に配置できるのが特徴です。バイクのキックの戻しばねとして利用され、「ダブルキックバネ」とも呼ばれています。この構造により、動作時の安定性が向上します。
強化された絞り丸フックの引張コイルばね
絞り丸フックの引張コイルばねは、コイル部分とフック部分が異なる太さの線材で作られているため、フック部分の強度が増しています。特にフック部分にかかる応力が高く、引張力がかかる用途での耐久性が求められる場合に適しています。
現在では珍しいタイプですが、バイクのマフラーの接合部分などで見られます。
2重構造の引張コイルばね
2重引張コイルばねは、通常の引張コイルばねの2本分の強度を備えつつ、コンパクトに設計されたものです。
このばねは、強力な引張力が必要で、限られたスペースでの使用が求められる場面に最適で、例えばバイクのサイドスタンドなどに使われています。
楕円型圧縮コイルばね
楕円型の断面を持つ圧縮コイルばねは、応力分布がより均等になり、軽量化と省スペース化が実現します。
通常の円形断面ばねと比べ、形状の精度は低いものの、特殊な構造が必要な場所に使われています。
2. 同じ用途でも形が違うばね
実は、同じ用途でも形が異なるばねが存在します。さまざまな形状が採用されている理由には、取り付け場所や負荷、設計コストなどが関わっています。
ここでは、わかりやすい例として「剪定ばさみ」に使われるばねを見ていきましょう。
剪定ばさみに使われる多様なばね
剪定ばさみには、メーカーや製品によって異なる形状のばねが使われています。ねじりばね、円筒型の圧縮コイルばね、樽型ばね、さらにはタケノコばねのような形状のものまで存在します。
どのばねも、ハサミがしっかりと元の位置に戻るよう設計されており、形状が異なることで、強度や柔軟性に違いが生まれています。
まとめ
ばねは、その用途や取り付け条件に応じて多種多様な形状で設計されています。
普段目にすることが少ないばねも、実は私たちの身近な場所で活躍しています。
ぜひ周りを観察して、意外な形のばねを探してみてはいかがでしょうか?