引張ばねのフック形状と特徴を知ろう
引張ばねは普段あまり意識されないことが多いかもしれませんが、フック形状によって様々な場面で使用され、特徴も異なります。
フックの形状ごとの特徴をわかりやすく解説していきますので、参考にしていただければ幸いです。
引張ばねの主なフック形状と特徴
引張ばねにはさまざまなフック形状があり、それぞれに異なる特徴と役割があります。代表的な形状とその特徴を見ていきましょう。
逆丸フック
- コイルの一巻きをねじり起こしたフック形状で、最も一般的なタイプです。
- 自動成形がしやすく、コストが抑えられるため、標準的な引張ばねとしてよく選ばれます。
- 「イングリッシュフック」「アメリカンフック」とも呼ばれることがあります。
半丸フック
- コイルの半巻きを起こしたデザインで、逆丸フックよりも折れにくいのが特徴です。
- 取り付けスペースが狭い場所でも使用できるため、省スペースが求められる場所で活躍します。
丸フック
- コイルの一巻きを起こした形で、立ち上がりがゆるやかです。
- 別名「ジャーマンフック」とも呼ばれ、逆丸フックとは異なる使用シーンで採用されます。
斜め丸フック
- コイルを斜めに起こした独特なフック形状です。
- 取り付けの角度に工夫が必要な場合に適していますが、通常の用途ではあまり使われません。
側面丸フック
- コイルを側面に起こしたタイプで、偏心荷重がかかりやすいため、取り付け位置に工夫が必要です。
- 必要に応じて特殊な用途で使用されます。
角フック
- フックを角型に加工した形状で、フックの長さを自由に調整できるため、板材に取り付ける際に適しています。
- 加工が複雑なため、コストが高くなることが多いです。
Uフック
- フックの端部をU字型に加工した形状で、長いフックが必要な場合によく用いられます。
- 標準的な引張ばねのフックとして広く使用される形です。
Vフック
- フックの端部をV字型に加工した形状で、取り付け相手との隙間を小さくすることができます。
- 計測用のばねとして利用されることが多い形状です。
フック形状の選び方
引張ばねを選ぶ際には、フックの形状によってばねの使い勝手が大きく異なります。そのため、以下の3つのポイントに注目してフックを選びましょう。
- 強度:フックがどれだけの負荷に耐えられるかが重要です。
- 製造の難易度:複雑な形状ほど製造コストが高くなります。
- 取り付けのしやすさ:フックの形状によっては、設置の際に特別な調整が必要になる場合もあります。
既製品を選ぶ場合、フック部分は選択肢が限られますが、オーダーメイドであれば、仕様に応じた形状を選ぶことができます。特に破損が気になる場合には、フック形状を考慮して選ぶことが望ましいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?引張ばねのフック形状は、使用目的や設置場所に応じて適切な形を選ぶことが大切です。
弊社では、さまざまなフック形状に対応した特注ばねもご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。